2016年にこの家に暮らしはじめて、だいたい9年になります。3枚の写真は新築時の写真ですね。



今回、ANTiQの家に住んだ感想を聞かせてほしいとのことでしたが、何をお話したらいいのか。笑
9年間の家の写真も掲載したいとのことでしたので写真を探してみたのですが、ほとんどが子どもが写っている写真ばかりで、家がよく写っているものはあまり残っていませんでした。それでも、どの写真にもこの家の雰囲気が映っていて、当時の生活を思い出すきっかけになりました。



新築当初は、木と漆喰のきれいな家で、「この美しさを維持していけるのか…」と少し心配でした。スタッフさんからは、漆喰の壁は壁紙と違って、その部分だけ簡単に補修できるから気にしなくても大丈夫と説明されていましたが、それでも気になっていました。実際、3人の子どもたちが毎日のように走り回り、壁や床にはすぐに傷がつきました。キズや汚れは仕方ないと思いつつも、長男が油性ペンで落書きしたときはショックで、つい声を荒げてしまいました。息子もそのことを覚えているようで、今では笑い話の一つです。
無垢の美しい床も、子どもたちに遠慮などありません。よく遊ぶ部分の床は傷だらけです。


家が汚れることに気になっていたのは最初の1年くらいでしょうか。今となってはキズや汚れ、そのひとつひとつが家族の思い出になっています。
暮らしの中で家が少しずつ変わっていくのを見ると、「この家と一緒に時間を過ごしてきたんだな」と感じます。
ANTiQの家は、時間とともに表情が変わっていく家だと言われました。今はその意味がよくわかります。漆喰の壁や無垢の床には手の跡や生活の跡が残り、新築のときとは違った味わいが出てきました。建てた当時はデザインが気に入って選びましたが、今は使いながら良くなっていく素材の良さを実感しています。
これから子どもたちが独り立ちして、少し落ち着いたら、部屋の中のものを整理して、家具や照明を見直したいと思っています。本当に気に入ったものだけを残して、この家に合ったインテリアをゆっくり考えていきたいです。古いテーブルに花を置いたり、小さな工夫をしながら、また違うかたちでANTiQの家を楽しめると思うと、いまから待ち遠しいです。
でもそのころには、家のキズをみて賑やかだった生活を思い出すと、すこし寂しい気持ちになってしまうのかもしれません。笑
